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はじめて基板分割機を
導入する企業へ
方式から選ぶ商品カタログ

初めて基板分割機を導入する企業に向けて、商品選びの方法および代表的なメーカー製品を紹介しています。
基板分割機を導入するならば、まずは自社製品とマッチしているか、その上でコスト面が合うかという二軸で商品を選ぶことをおすすめします。

まずは押さえておきたい
基板分割機の方式によるメリット・デメリット

基盤分割機は基盤の生産効率化を図るために、複数の製品基盤を1枚のシートに配列し、同時に複数の基盤を作成する機器です。

以前は基盤分割を行いやすくするために、基盤シートの両面にV切込みをいれ、作業員が手作業で分割していました。しかし分割する際に、実装部分のハンダの剥がれや、基盤にヒビ割れなどによる回路の切断が発生していました。これらの問題を解決し、品質の向上を図る目的で、さまざまな方式の分割装置が開発されています。

基板分割機には「ルーター分割方式」「プレス分割方式」「押し切り方分割方式」「ダイシング分割方式」という主に4つの分割方式があります。それぞれ適応できる基板素材や分割の方向が異なる他、ストレスや粉塵の発生等の違いがあるため、自社が求める機能に合ったものを選ぶ必要があります。

ルーター分割方式
精密な基板分割を
スピーディーに
プレス分割方式
同じ基盤を
大量生産する
押し切り型分割方式
導入費用を抑え
精密性を向上
ダイシング分割方式
粉塵やストレスを
極力抑える
分割方法 基板分割用のルータービットツールを高速回転させ、指定位置を分割する。 基板の分割位置に合わせて、分割用の刃を組み込んだ型を使用する。 上下の回転する円形刃の間に基板を通し分割する。 薄い砥石を高速回転させ指定位置を切断。分割位置は制御部に記憶させ座標データを選択できる。
導入費用 約500~1,000万円 約300~800万円 約10~100万円 約1,000~1500万円
適応する
基板素材
紙フェノール基板、ガラスコンポジット基板、ガラスエポキシ基板、フレキシブル基板、テフロン(フッ素)基板など 紙フェノール基板、ガラスコンポジット基板、ガラスエポキシ基板など ガラスコンポジット基板、ガラスエポキシ基板など 紙フェノール基板、ガラスコンポジット基板、ガラスエポキシ基板、フレキシブル基板、テフロン(フッ素)基板など
分割方向 縦、横、斜め 縦、横、斜め 縦、横 縦、横
適応する
カット
ミシン目、スリット ミシン目、スリット、Vカット ミシン目、スリット、Vカット カット不要
基板への
ストレス
小さい 大きい 大きい 小さい
分割座標
の保存
保存可能 保存不可 保存不可 保存可能

ルーター分割方式の基板分割機
その性能や代表商品を見る

プレス分割方式の基板分割機
その性能や代表商品を見る

押し切り型分割方式の基板分割機
その性能や代表商品を見る

ダイシング分割方式の基板分割機
その性能や代表商品を見る

精密な基板分割をスピーディーに
ルーター分割方式の基板分割機とは

基板分割用のルータービッドツールを高速回転させ基板を分割する方式ルーター分割方式です。ルーター分割方式は制御部に記憶させた危難の機種により座標データを選択し多種類の基板に対応できる特徴があります。

ルーター方式で分割できる基板の厚みは、0.4㎜から1.6㎜程度であれば分割が可能です。さらに縦・横・斜め方向の分割にも対応できます。

一方では、分割する際の粉塵の多さや、分割部分にバリができる、実装部品の高さに限界があるなどのデメリットもあります。

ルーター式分割方式の基板分割機のメリット・デメリット

ルーター式分割方式のメリット ルーター式分割方式のデメリット
  • 基盤の厚みが0.4㎜から1.6㎜であれば基盤分割が可能。最近では、厚み2.0㎜まで分割ができる製品も。
  • 分割が、縦・横・斜め方向に分割ができ複雑なスリット加工が可能。
  • 分割したい位置を端末から入力ができ、基盤の機種変更が簡単にできる。
  • 基盤分割の際に多くの粉が発生する。
  • 基盤を削る際に基盤の繊維にヒゲが分割表面にできる為に、2回に切削が必要になる。
  • 基本に実装する備品の高さに制限がある。
  • 基盤の分割速度が遅い。

ルーター式分割方式の基板分割機を取り入れるべき企業は

スリット加工など複雑かつ繊細な基盤分割が必要な企業

基本的にルーター方式基盤分割機は、分割する位置を簡単に変更できることや、分割速度が遅いことから、基盤を低いストトレスのカットが必要な細かい装備品が多い基盤分割に向いています。特ににスリット加工など複雑な加工を必要とする実装する備品の高さが低い基盤の分割に向いています。

プレス分割方式と比較して大量生産には向いていませんので、精密な基盤分割を優先する現場での活用がおすすめです。

ルーター方式基盤分割機の
代表的なメーカーを確認する

同じ基盤の大量生産が可能な
プレス分割方式の基板分割機とは

プレス分割方式とは、基板の分割位置に合わせて分割用の刃を組み込んで基板を分割する方式です。プレス分割方式の1ショットで1枚の分割個所すべてを同時に分割できることで基板の大量生産に向いています

またルーター分割方式と比べて、実装部品の高さが高くても分割ができます。そのほか磨耗した分割型は再研磨することで再利用ができるなどのメリットがあります。

一方で分割用の型の製作費用が高額であることや、機械的ストレスが大きいなどのデメリットもあります。

プレス式分割方式の基板分割機のメリット・デメリット

プレス式分割方式のメリット プレス式分割方式のデメリット
  • 1回で1枚の基板の分割個所全数を同時に分割することが可能。
  • 基盤に実装する備品の高さが高くても分割が可能。
  • V溝やミシン目構造の基盤でも分割が可能。
  • 分割時に粉がほとんど発生しない。
  • 磨耗した分割型であっても再研磨ができる。
  • 基盤ごとに分割型が必要になり製造コストが高くなる。
  • 分割時のストレスが大きく、基盤のヒビ割れやはんだが剥がれるリスクが高い。

プレス式分割方式の基板分割機を取り入れるべき企業は

同様の形式の基盤を大量生産する企業

プレス方式分割機は1回で基盤1シートの分割が可能なことから、大量生産が必要な基盤の製造に向いています。また、ルーター式基盤分割機と同じように、縦・横・斜めの切削ができることから、複雑な加工も可能です。

ただし、1種類の基板に対して分割型を制作する必要があることから、研究・開発目的というよりは同じ製品を大量生産する際に向いている方式だと言えます。

プレス方式基盤分割機の
代表的なメーカーを確認する

導入費用を抑えながら精密性を向上
押し切り型分割方式の基板分割機とは

押し切り型分割方式は、上下の回転する円形刃の隙間に基板を通し、極小の刃物隔のスキマにより分割する方式です。この押し切り型分割方式は、ルーター分割方式やプレス分割方式、ダイシング分割方式と異なり、生産量が少なくV溝基板分割対応用として用いられている方式です。

押し切り型分割方式は、分割に発生する機械的ストレスがやや大きいというデメリットがあります。一方で、他の分割方式と比べて手軽に使えることから採用している工場もあります。

押し切り型分割方式の基板分割機のメリット・デメリット

押し切り型分割方式のメリット 押し切り型分割方式のデメリット
  • 他の方式の分割機と比較して導入コストが抑えられる。
  • 卓上タイプが多いため、省スペース化を図れる。
  • 手動での基盤分割と同様の感覚で使用できる。
  • 紙基材の分割には適していない。
  • 大量生産やスピードアップには向いていない。

押し切り型分割方式の基板分割機を取り入れるべき企業は

同様の形式の基盤を大量生産する企業

押し切り方式基盤分配機は、外の方式の分配機と比べて導入コストを抑えられることから、現状の手作業ではなく試しに基盤分割機を導入してみたいと考える企業に向いています。また卓上型の分割機が多いことから、省スペース化を図りたい工場にもおすすめです。

押し切り型式基盤分割機の
代表的なメーカーを確認する

粉塵やストレスを極力抑える
ダイシング分割方式の基板分割機とは

ダイシング分割方式は、薄い砥石を高速回転させ基板を分割する方式です。ダイシング分割方式の特徴としては、分割装置に分割位置を記憶させおき、基板の種類ごとに座標データを選択することで精度の高い基板分割ができます。

分割の際に水を使用しないや、バリができないなどのメリットがあります。そのほか分割用の刃物の種類も、刃物砥石やダイヤモンドディスク、メタルソー、レーザーなどを使うことができます。

一方では、ルーター分割方式、プレス分割方式、押し切り型分割方式と比べて機械代が高いというデメリットがあります。

ダイシング分割方式の基板分割機のメリット・デメリット

ダイシング分割方式のメリット ダイシング分割方式のデメリット
  • 基盤の分割面が非常になめらか。
  • 切削時のへこみやストレスが少ない。
  • 精度の高い基盤分割ができる。
  • 分割の際に水を使わないので、給排水設備が不要。
  • 他の方式の分割機と比較して導入コストが高い。
  • 斜めの分割ができない。

ダイシング分割方式の基板分割機を取り入れるべき企業は

チップなど細かい分割が必要な企業

そもそもダイシングとは、半導体素子を個々のチップ(ダイス状)に分割することを意味します。基板へのストレスを極力抑え、さらに粉塵が発生しないことから、基盤を細かく分割したい企業におすすめだといえます。

また、粉塵が発生しないため水を使用しないで分割できることから、デバイスの分割にも向いています。

ダイシング方式の基盤分割機の
代表的なメーカーを確認する

基板分割機の主要メーカーとその製品

基板分割機の主要メーカーを紹介しています。2022年11月10日時点でGoogleにて「基板分割機」と検索した際に50番目までに公式HPがある企業を五十音順に掲載しました。

各社の取り扱っている基板分割機の特徴や代表的な製品、導入事例などを調査しまとめました。

アイエイアイは、小型産業用ロボットの専業メーカーです。ロボットの生産性を高める機械・電気設計やソフトウェアにおいて、常に革新的な技術を導入し、画期的な製品雄生み出しています。

所在地 静岡県静岡市清水区尾羽577-1
事業内容 小型産業用ロボットの開発・設計・製造・販売、新しい農業技術の開発(エコファーム部)
公式サイト
URL
https://www.iai-robot.co.jp/

オーロテックは、1980年に台湾で設立された産業用ロボットや自動化装置から建築分野における排煙装置まで、幅広い商品・技術を提供しているメーカーです。

所在地 東京都千代田区神田須田町1-7-8 秋葉原成信ビル2階
事業内容 基板分割機の製造や各種光通信デバイスの組み立てなど
公式サイト
URL
https://www.aurotek.com.tw/

サヤカは、国内外を問わず多くのユーザーから評価を受けている基板分割機メーカーです。1975年の創立から現在に至るまでに5000種類以上の治具の設計・制作した実績があります。

所在地 東京都大田区城南島2-3-3
事業内容 基板分割機の製造販売を手掛ける専門メーカー
公式サイト
URL
http://www.sayaka.co.jp/index.html

ジャノメは、1921年に初の国産ミシンメーカーとして創業したメーカー。ミシンに使われる部品の内製化を進める中で、製造機器の開発を手掛けたことをきっかけに、基板分割機などの産業機器事業も手掛けるようになりました。

所在地 東京都八王子市狭間町1463
事業内容 ミシン及び関連商品、産業機器の製造ならびに販売/洋裁関連商品及び学校教育教材等の販売/不動産賃貸等
公式サイト
URL
https://www.janome.co.jp/

ダイテックスは、基板分割・各種素材打抜き機とそれに付随する型をワンストップで製造販売しているメーカー。FPC基板分割、硬質基板分割、セラミック基板分割など、さまざまな分割の製造に対応可能です。

所在地 京都府京都市伏見区羽束師菱川町287-2
事業内容 電子部品製造に関する自動化、省力化機器の設計、製造、販売/プリント基板用精密抜き型、アクリルシート用精密抜き型の販売/各種レーザーカット製品の販売/スポットUV(紫外線)照射装置の輸入販売
公式サイト
URL
http://www.dietecs.co.jp/

津々巳電機は、60年にわたり、はんだ付けロボットやフラクサー、基板分割機といったはんだ製品を提供しているメーカーです。長年の経験を活かした特殊工法で、顧客の要望に沿ったはんだ付け装置の提案を続けています。

所在地 東京都大田区大森西4-14-16
事業内容 はんだ付けロボット・はんだ付け複合機・はんだ付けユニット・フラクサー・基板分割機などの自動はんだ付け装置、FAシステム、自動制御盤等の開発・製造・販売
公式サイト
URL
https://tsutsumi-elec.co.jp/

テクニクスマシンエンジニアリングは、主に自動化装置の製造を行っている自動機メーカーです。特に、電気関係部品の高速組み立てを得意としています。

所在地 東京都大田区大森南4-6-15 テクノフロント森ヶ崎504
事業内容 自動化装置・一般産業機械・OEM設計製作/卓上型実装基板分割装置/プレス型実装基板分割装置/ルーター型実装基板分割装置
公式サイト
URL
http://www.tme-eng.co.jp/

テクニトロン・サプライは、基板実装関連機器・装置・設備・材料・備品の専門商社です。はんだ付け実装用設備機器・工具から大型自動機まで、顧客のニーズに合った製品を提供しています。

所在地 東京都品川区南大井3-31-19 エイコウ大森ビル6F
事業内容 ハンダ付実装関連機器・工具・材料の販売
公式サイト
URL
http://www.technitron.co.jp/

テクノアルファは、エレクトロニクス事業をはじめ、舶用製品を取扱うマリン・環境機器事業、LabVIEWソフトの活用によるシステムインテグレーター事業、質量分析等に必要なイメージング製品等を扱うサイエンス事業など幅広い事業を展開しています。

所在地 東京都品川区西五反田2-27-4 明治安田生命五反田ビル2F
事業内容 半導体製造装置、電子材料・機器、環境機器の輸入販売/舶用機器の代理店販売/バイオ関連機器、分析機器、理化学用機器の販売/その他自社開発品の製造並びに技術サービス
公式サイト
URL
https://www.technoalpha.co.jp/

名菱テクニカは、三菱電機グループの一員として、各種FA・メカトロ機器に関わる製品・サービスを提供している会社です。技能伝承や生産革新、品質改善などに取り組み、信頼されるパートナーとなることを目指しています。

所在地 愛知県名古屋市東区矢田南5-1-14
事業内容 FA事業/モータ事業/機電事業
公式サイト
URL
http://www.mtco-web.co.jp/

西進商事は、分析標準物質や厚膜IC関連の消耗品、装置関連などの商品を扱っている商社です。近年は、太陽光発電をはじめとした新規電子装置の設計・製造事業にも進出しています。

所在地 兵庫県神戸市中央区港島南町1-4-4
事業内容 電子機器、太陽電池製造装置等の製造・販売/各種材料、分析・診断機器、環境機器等の技術商社
公式サイト
URL
https://www.seishin-syoji.co.jp/

LPKF Laser & Electronicsは、テクノロジー業界にレーザーを使用したソリューションを提供しているメーカーです。プリント基板加工、マイクロチップ、自動車部品、ソーラーモジュール、および多くの電子部品の製造で導入されています。

所在地 千葉県船橋市浜町2-1-1 ららぽーと三井ビルディング8F
事業内容 PCB 基板製造装置、マイクロエレクトロニクス開発装置及び生産装置の設計・製造・販売
公式サイト
URL
https://www.lpkf.com/jp/

プリント基板(PCB)の素材別に考える分割方法

片面基盤として使われている紙フェノール基盤、強度や電気絶縁性に優れた、フェノール樹脂素材を含侵させて作られているため、電気絶縁性に優れています。
洗濯機や食器洗い機など、湿気の高い製品の基盤として使われている、紙エポキシ基盤は、紙フェノール基盤と比べては耐湿性・耐熱性に優れています。

ガラス布と不織布を混ぜ合わせた基材で作られているガラスコンポジット基板は、耐トラッキング性に優れています。
ガラスエポキシ基板と比較して価格が安いため、片面基板では対応が難しい、家電製品から産業用機器まで幅広い範囲で使われています。

通称テフロンで知られているフッ素基板は、不燃性に優れ特に誘電特性は最高クラスといわれています。そのため高周波特性を求められる基板回路をして使われています。
テフロン基板は絶縁性に優れていますが、一方では、スルホールメッキに特殊な薬剤を使いなど、基板の使用町域が狭いというというデメリットもあります。

セラミック基板は、ベースとなる素材にセラミックが採用されています。そのことで寸法の変化が少なく、絶縁性、高周波特性、熱伝導率など、さまざまな特徴があります。
セラミック基板は、アルミニウムより放熱性が大きく、テフロン基板より高周波損失が少なく抑えられる特徴があります。そのためICチップの分野でよく使われています。

フレキシブル基板の最大の特徴は、薄さと柔らかさです。この特徴で屈曲させることが可能なため、とても自由度の高い基板といえます。しかも曲げても電気的特性が変わらないメリットがあります。
フレキシブル基板の曲げられる特徴を最大限に活かすことで、可動部分や折り曲げ部、薄型化や軽量化が求められている基板間やユニット間をつなぐ接続ケーブルとして使用されています。

メタルベース基盤は、放熱性を高める特徴があります。アルミ板または銅板の上に絶縁層とさらにその上に導体である銅箔を重ねるのが、標準的です。最近では、LEDの熱の放熱目的としてLEDを搭載した照明用との基盤として使われています。
コアな部分に銅によりスルーホールを設けることで、両面配線や多層配線の構造を作ることができ、基板設計の幅は広がります。