メタルベース基板は、アルミ板や銅板などの金属の上に絶縁層、さらにその上に銅箔を重ねて構造の基板です。メタルベース基板は、放熱性を高める特徴があり、LEDの熱の放熱を目的としてLED照明などで使われています。
また放熱性に優れていることから、半導体素子の性能を引き上げる目的として、半導体素子の基板として使われています。
フレキシブル基板は、基材にフィルムシートを使っています。これにより薄くて柔らかく、屈曲させることができ、自由度が高い基板です。これらの特徴を活かして、可動部や折り曲げ部、軽量化が求められる基板や基板間やユニット間をつなぐケーブルとして使われています。
そのほか身の回りの製品では、キーボードや液晶モニター、プリンターヘッド、カメラレンズなどの基板やケーブルとして使われています。
フレキシブル基板(ポリエステルなど)の
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セラミック基板は、基板のベースとなる素材にセラミックが採用されています。このことで寸法の変化が少なく、絶縁性、高周波特性、熱伝導性などに優れています。この特性を活かして、ICチップの分野でよく使われている基板です。
しかし一方で、セラミック基板は、一般的な基板とは製造方法が違い、一部のメーカーでしか製造ができないデメリットがあります。セラミック基板は、通信機器や航空宇宙製品などのプリント基板として使われています。
通称テフロン基板と呼ばれているフッ素基板は、不燃性に優れています。特に誘電特性は基板の中で最高クラスです。そのため高周波特性が求められる基板回路用として使われることが多い基板です。またテフロン基板は、広い温度範囲でも安定して動作する特徴もあります。さらに低吸湿性にも優れています。
しかし一方では、スルーホールメッキに特殊な薬剤を使うなど、基板の使用用途が狭いというデメリットがあります。テフロン基板は、衛星通信や無線機、民生用電子機器、気象観測装置など、さまざまな製品で使われています。
ガラスコンポジット基板は、ガラス布と不織布を混ぜ合わせた基材で作られています。ガラスコンポジット基板は、耐トラッキング性に優れています。また、ガラスエポキシ基板より比較的価格が安いことから、片面基板で対応が難しい、電化製品や産業機械で幅広く使われています。
一方のガラスエポキシ基板は、ガラス繊維(ファイバーグラス)を布状に編み込んだカラス布織で作られています。この基材の違いにより、ガラスコンポジット基板より少し値段が高くなっています。このことからガラスエポキシ基板は、両面基板や多層性基板として使われることが多い基板です。
ガラスコンポジット基板・ガラスエポキシ基板の
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紙フェノール基板は、紙基材に油脂を含んだフェノール樹脂で固めて作られています。紙エポキシ基板は、エポキシ樹脂で固められて作られています。紙フェノール基板は、電気絶縁性に優れています。このことから家庭用家電のステレオやラジカセ、家庭用電話、ゲーム機、キーボードなどで多く採用されています。
一方のエポキシ基板は、耐湿性・耐熱性に優れていることから、家庭用家電の洗濯機や食器洗い機の基板と採用されることが多い基板です。